インターネットの教育的利用法
〜ホームページを使った教科学習と利用方法等〜

群馬県前橋市立桂萱中学校
 上原 永護


1.情報にあふれているインターネットから情報を探しだすには・・・

 インターネットは、大きな海にたとえられるように、情報にあふれています。その中で目的に応じた情報を得るためには、いくつかの効率的な方法があります。

(1)サーチエンジンの利用
 サーチエンジンでは、最新の情報を効率良く、探し出すことができます。サーチエンジンは、次の2つに大きく分けることができます。

@分野別に分けられたものから探すもの
 Yahoo!(http://www.yahoo.co.jp)に代表されるように、分野別にホームページ(以下HP)を登録し、整理したものから検索します。
 基本的に登録制であるため、その登録数には限りがありますが、登録の際、その紹介文も登録したり、その管理者が独自に解説文等を添付されるため、その概要を知ることもできます。また、作成したHPを多くの人に知ってもらうためには、このようなサーチエンジンへの登録は欠かせません。
 そのサーチエンジンによって分類項目が多少異なりますが、該当しそうな言葉をいくつか入力して、検索します。
             (例)

 YAHOO!きっず(http://kids.yahoo.co.jp/)のように子ども向けのものもあります。

A機械的に文章から探すもの
 goo(http://www.goo.ne.jp)に代表されように、機械が自動的にインターネット上に置かれているHPを探しだし、登録したHPの文章に記載されている言葉と一致するものを検索します。
 機械的に探し出されたものが登録されるため、基本的に、希望によって登録したり、削除することはできません。公開が前提となっているインターネット上にHPを置くということは、積極的な公開の意志がなくても公開の意志があるものとされます。そのため、インターネット上のHPを非公開としたり、特定の人を対象としたものにするためには、特別な処置が必要となります。
 登録されているHPの数が膨大であるため、検索する言葉を上手に設定することによって目的とするものに絞り込んでいきます。

         (例)


 こねっとgoo(http://www.goo.wnn.or.jp/)のように子ども向けのものもあります。

(2)リンク集の利用
 教育関連機関・学校・教育関連企業・個人等で、教育に関連した様々なリンク集が作成されています。サーチエンジンほど、最新の情報は得られないかもしれませんが、目的に応じて整理されたリンク集は、精選されたHPが多く、非常に効率よくHPを探すことができます。また、優れたリンク集を紹介しているリンク集もあります。

  キッズページ (http://kids.glocom.ac.jp/index.html)
  子どもリンク集(http://fish.miracle-wave.or.jp/toru-w/gakusyu/kodomolink.htm)
  [高岡中学校]学習・教育に役立つリンク集(http://www.nsknet.or.jp/~y_aoki/link.htm)
  [小野上中学校]情報ルーム(http://www2.wind.ne.jp/onogami/room.htm)
 MOW3・数学教育関係リンク集(http://www2.wind.ne.jp/mow/link/)
  むつごろうネットのおすすめページ(http://www.mutugoro.or.jp/link.html)
  落伍弟子 三輪のコレクション  (http://www.jepro.co.jp/ym_book.htm)
  手話通訳(者)関連資料などのページ(http://hydra.rikkyo.ac.jp/~ohtake/si.html)
  

2.得た情報を教育で活用するには・・・

(1)教育情報
 文部省を始めとする官公庁のHPも頻繁に更新されるようになり、最新の情報が手軽に入手できるようになってきました。また、新聞社のHPでも、新聞の情報量には劣るかもしれませんが、最新の情報を得ることができます。サーチエンジンで関連する記事等を検索したり、文部省のHPを見ることによって情報が得られます。

    官公庁 Web Server(http://www.kantei.go.jp/jp/server-j.html)
    世界の文部省・教育機関(http://www.educ.hiroshima-u.ac.jp/~kyokyo/monbusho.html)
    News and Sports(http://www.nara-wu.ac.jp/life/food/start/news/)
    JETプログラム(http://wwwo-v4.hi-ho.or.jp/HTML_J/JET/JET.HTM)

 また、先進校の研究紀要や先進的な取り組みを行っている方々の論文・原稿等が公開されており、校内研修や自己研修の推進の指針としたり、参考資料とすることができます。キーワードとなる言葉を入力して、gooなどで検索して探すことができます。ただし、引用したり、参考する場合は、著作権に配慮し、引用部分や出典を明確にする必要があります。

(2)授業用参考資料
 インターネット上には、最新の情報があるため、従来の資料集などにはないものを得ることができます。また、マルチメディア機能を生かし、気象衛星による雲の移動をアニメーションで見たり、音と映像による図鑑なども可能となっています。
 教科別リンク集やジャンル別リンク集などで検索することもできます。また、同じ教材に対する生徒の意見や考えもHPに記載されているものもあります。
 また、文学教材などでは、作者の出身地の学校などで児童・生徒の意欲的な研究成果が報告されていることも少なくありません。
 地域による気候や生活習慣の交流学習の成果がHPやFAQ化されているところもあります。
 しかし、児童・生徒の実態や授業の目的に合った教材となるものをばかりではありません。解説が難しすぎることも多く、適切な助言が必要となることもあります。その場合、インターネット上の資料は技術的には容易に改変することはできるのですが、インターネット上に公開されているとは云え、多くの場合、資料の2次利用は許可されていないため、十分な配慮が必要です。

 インターネット版【理科の部屋】
            (http://www.katsurao-jhs.katsurao.fukushima.jp/RIKA/index_ja.html)
 東金女子高校(千葉県)ホームページ(http://www.togane-ghs.togane.chiba.jp/Welcome-j.html)
 美里高校(沖縄県)ホームページ  (http://misato-hs.okinawa.okinawa.jp/)
 ごんぎつね (http://www.lec.handy.n-fukushi.ac.jp/kes/tiiki/gon/gon.htm)
 

(3)教材・指導案
 個人や学校単位でこれまでの実践してきた実践例や教材に対する考え方などの公開が徐々に行われています。また、都道府県の教育センターを中心にこれまで蓄積した資料の多くは、その都道府県内の教職員を対象に公開していますが、著作権の問題やWEB化が困難であることなどから公開は難しいとするところが多いようです。今後、作成される新たな資料については、公開される可能性も大きくなりつつあります。そのような中で、登録制ですが、指導案のデータベースも作成されつつあります。

 山梨県総合教育センター   (http://www.ypec.misaka.yamanashi.jp/)
 茨城県教育研修センター    (http://www.edu.pref.ibaraki.jp/center/index.htm)
 教育実践事例データベースSagaS(さ〜がす)(西山@佐賀県教育センター)
                    (http://www.saga-ed.go.jp/db/jissen_jirei/temp/)
 Yell教育情報のページ   (http://www.ysknet.co.jp/YELL/ )
 社団法人日本書籍出版協会(検索) (http://www.books.or.jp/)
 日本教育ソフト協議会のページ  (http://www.jces.or.jp/)
 フリーソフト・シェアウェアのあるところ(高知高専)
                    (http://www.me.kochi-ct.ac.jp/~hayashi/free.html)



3.電子メールを活用するには・・・

 生徒の利用方法としては、学校間交流や調べ学習などで活用されることが多いです。ボランティアの教師や一般の方々が質問に受けるHPを設けているところもあります。
 また、そのような相互交流だけでなく、意見交換をするために、インターネット上の「掲示板」に電子メールのように文章を送って書き込んだりすることもできます。
 自分に関心のある領域,題材をテーマにした子ども用のメーリングリストもあります。メーリングリストとは,ファクスなどの同報通信機能の電子メール版にあたるものです。メーリングリスト用のアドレスに電子メールを送ると,登録されている人々全部に同じメールが届くようになっています。

     キッズリンク(http://www.skr.or.jp/~kids/)

 また、教師の利用方法としても、同様の利用が考えられます。教育の研究においては、通常、教師自ら研究グループを作成して、アイデアや情報などの交換をしたり、互いの実践等に対する意見交換や共同研究が行われます。しかし、その活動には、地理的・時間的な制約があるため、たとえ、月に一度の研究会であってもその運営には多くの困難があります。インターネットの「インターラクティブ=双方向性」という特徴と電子MAILの送受信における時間の即時性・任意性という特徴により、これらの問題の多くが解決されます。特に、教科などのや研究対象領域にテーマを絞ったML(メーリングリスト)では、参加者全員が、いっしょに情報を共有する場をもつことができ、全国の教師、研究者等と意見や情報の交換ができます。

  日本語でコミュニケーションが行われる教育関係メーリングリストの例
 (山梨大学教育学部 成田雅博 さん)(http://www.cer.yamanashi.ac.jp/narita/edudir/eml.html)
  理科教育メーリングリスト(http://rika.ed.ynu.ac.jp/)
  コンピュータ・ネットワーク学校教育利用技術メーリングリスト
                             (http://st.jr.chiba-u.ac.jp/)

4.学校のホームページ開設することによって・・・

 インターネット上に学校のHPを開設することにより、電子メールアドレスを公開することができるために、電子メールを不特定の人から受けることができるようになります。 自らの学校の様子を知らせることにより、地元の人々や卒業生への学校の情報を公開することができ、開かれた学校づくりの一助とすることもできます。
 他の地域の方々に地域や学校の特色についての情報発信を行うことにより、様々な交流が生まれたり、学校における教育実践をより深めるきっかけを得ることができたり、改めて学校の教育活動の価値を認識したりすることができ、多くのメリットが得られます。
 一方、不特定多数に対する情報発信となるため、その内容の精選と個人情報保護等への配慮は十分に行う必要があります。
 しかし、学校のHPが開設され始めた初期には、写真はモザイクやぼかしが入ったものばかりになり、子ども表情が分からないものになってしまい、HPが魅力のないものになってしまいました。また、学校や学級の紹介のHPにおいて、写真や文章から個人が特定できる可能性が生じ、大きな問題となる場合もありました。現在も、何らかの事情により、開設された公式の学校のHPが閉鎖されたり、当初定めた規定により、ほとんどの情報を発信することができず、HPの更新が難しい状況にある学校もあります。
 また、多くの学校においてHPを開設するに従い、学校のHPというだけではめずらしくなくなってきため、後発の学校へのHPはアクセス数も少なくなりがちです。多くのアクセスを得るためには、特色ある内容、魅力ある内容である必要があります。魅力ある教育実践活動・生き生きとした子どもの活動・望まれる情報の開示が望まれております。何らかの目的を持ち、その観点で検索したり、そのカテゴリーのリンク集からのアクセスが一番可能性があると考えられます。
 しかし、そのようなHPは一朝一夕にはできるものではありません。膨大な資料と労力があってこそ、構築できるものです。最初から、無理の作成する必要はないのではないかと考えます。まずは、学校の様子を紹介する簡単なHPづくりから始め、徐々に、学校の特色を表していくので十分です。また、求められている情報とは、自らが欲する情報であるといえます。「こんな情報がほしかったんだ」「こんな情報がないかな」「もっとこんなのがほしい」等の感想を持つことがあるかと思いますが、その視点で自らのHPを作成することが肝要です。

   群馬県総合教育センター (http://www.edu-c.pref.gunma.jp/center/index.html)
   KIDS’ STUDIO(http://www2.big.or.jp/~kstudio/index.html)
   日本の教育関係ページへリンク(http://www.c-amber.or.jp/~ikeya/edu.html)
   財団法人AVCC    (http://www.avcc.or.jp/index.html)
   教育とネットワーク・研究資料(http://picasso.hum.ibaraki.ac.jp/edunet/index.html)
   学校検索 (http://sagasu.jr.chiba-u.ac.jp/index.html)


5.HPを作成するには・・・

 HPを作成することは特別な機能を盛り込んだりしない限り、技術的に難しいものではありません。主に以下の作成方法があります。

  @ エディタと呼ばれるWindows95に付属している簡単なワープロソフトでもHP   を作成できます。
  A Windows95に標準で付属していたり、無料で配布されているインターネットエクスプローラやネットスケープコミュニケーターと同梱されているHP作成ソフトでワープロ程度の技術で簡単にできます。
  B HP作成用の市販ソフトを使えば、ワープロ程度の技術で簡単にできます。
  C ワープロ専用機で作成したものをワープロ専用機がHPのHTML形式で保存する機能をもっていればそれにより作成できます。
  D ワープロ専用機で作成したものコンピュータのワープロ形式に変換したり、コンピュータのワープロで作成したものを、そのワープロのHTML形式で保存する機能により作成できます。
  E ワープロ専用機で作成したものコンピュータのワープロ形式に変換したり、コンピュータのワープロで作成したものを、アクロバットのPDF形式で保存することにより作成できます。

 基本的には、その作成の労力や機能から、ABの方法が効率的であると考えられます。CDは、多くの場合、変換後の仕上がりイメージが当初のものと大きく異なることが多いため、修正が必要な場合が多いです。Eは、Adobe社のAcrobatを購入し、コンピュータに組み込む必要があります。利用する場合は、印刷の際に、プリンタを選択する項目をアクロバットに指定するとコンピュータ内にファイルとしてデータを作成します。プリンタで紙に印刷するのと同様の出力が得られるために、イメージ通りのデータを作成することができます。そのため、新たに資料を作成しなくても、過去の資料をそのまま利用することができます。
 VRML、ダイナミックHTML、JAVA、JavaScript、アニメ、動画、MIDI、CGIなど、数々の高度な表現が可能ではありますが、魅力在るHPづくりとは、物珍しさではなく、そこにある資料そのものの価値で決まります。より見やすく、使いやすくする工夫は必要ですが、日常の教育活動で作成している資料のなかで、他の参考になるものは、当然魅力ある資料であり、それが魅力在るHPづくりに欠かせないものになります。そのような資料づくりは特にコンピュータの扱いに堪能である必要はありませんので、全校職員でのHPづくりは十分可能な状況にあるといえます。また、より魅力ある、価値在るHPづくりを行うには、全職員の資料提供などの協力があって、初めて行えるものといえます。個人レベル、あるいは数名による作成レベルでは、その内容の深みに限界があります。

   ホームページを作ろう(http://www.urban.ne.jp/home/ichiya/howto_html/index.html)
  ホームページ作成入門(http://www2.wind.ne.jp/mow/jou/data/index.htm)

6.個人レベルでのHP作成は・・・

 教師個人としても研究や実践は、人事異動にかかわらず継続されることが多いかと思います。教師一人一人は、専門分野を持ち、個性を持っております。その貴重な実践や様々な経験が、個人の内に埋没してしまうのは残念なことです。また、より多くの情報を得るためには、自ら情報を発信する必要があります。受けるだけでなく、自ら情報を発信することにより、それに対する反応も期待できます。
 そこで、私自身も、実践を継続し続けるために、そして、より情報を得るために、HPを97年7月から開設しました。(http://www2.wind.ne.jp/mow/



 上の図のような構成になっていますが、より一層の充実と改善を行っていきたいと考えているために、変更予定がある部分もあります。
 主な内容は、

「数学に興味関心を持っている不特定多数の方々の利用、中学校の選択数学の授業
での利用を視野にいれた問題」(http://www2.wind.ne.jp/mow/math/mondai/index.htm)

「指導案・授業実践記録・研究紀要・執筆原稿・出張の記録」
     特別活動(http://www2.wind.ne.jp/mow/toku/jissen/index.htm)
     数  学(http://www2.wind.ne.jp/mow/math/jissen/index.htm)

「自作ソフトウェア」(http://www2.wind.ne.jp/mow/math/soft/index.htm)

「数学の図形問題と図形データ」(http://www2.wind.ne.jp/mow/math/cabri/index.htm)
              (http://www2.wind.ne.jp/mow/math/gc/index.htm)

などです。
内容としては、希薄であったり、不十分なものも多々あるため、後ほど削除したり、更新したいと考えているものもあります。しかし、どんなことができるかを試したり、また、よりより実践を紹介していただく呼び水となればと考えて作成しております。
 作成においては、個人情報や著作権等への配慮が不可欠です。指導案から生徒の実態を削除したり、出張先でHP化の了解をその場で得るためにその場でノートパソコンでHPを作成したり、デジタルカメラで撮影したりして、そのHPを見せ、訪問先の学校長や講演者に許可を得るなどしました。
 個人で作成している資料であるため、その量と更新スピードには限りがあります。作成したソフトウェアもコンピュータの進歩により陳腐化してしまったり、機種対応も問題が生じたりします。指導案も教育観の変化に伴い、その内容が急速に古いものになってしまします。

7.終わりに

 インターネットを教育に利用しようとするとき、その過程で、多くの課題や問題に直面することもに生じてくるかもしれませんが、最前の注意を払いながら、まずは始めることが大切です。
 また、多くの方々から情報が発信されることにより、その資料を用いて、よりよい授業を行ったりすることができます。他の人が作成したものを利用することに罪悪感を持つかもしれません。それをあたかも自分で作成したかのような扱いをするのなら問題はあるでしょうが、それが公開を前提に作成されたものであり、市販されている教材と同様に、それが生徒にとってよりよいものをもたらすならば多いに利用すべきであると考えます。
 その無償の努力に対する感謝の気持ちは、それをより良く活用することはもちろん、さらに、その成果をその情報発信者に報告したり、それを越えるよりよい資料を自ら発信することで返すことができます。
 また、目の前にいる児童・生徒に対する教育の重要性とそれに対する努力の必要性は誰もが認め、行っていることと思います。インターネットで、教育に関する情報を発信する際、教育・学問とは、誰のためのものなのか、何のためのものなのか、また、自らが行うべき事は何なのかなどを考えさせられます。
 インターネットを利用することによって、人間関係が広がり、グローバルな視野で考えることの大切さに気づかされることが数多くありました。多くの情報が得られることがインターネットの最大の利点かもしれませんが、児童・生徒にグローバルな見方・考え方が身についていくとしたら、計り知れない教育的な効果があるのではないかと感じています。

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